Touring-MLリポート オーストラリア編1



今年は、正月に紀伊半島とGWに四国をおまけに走っただけで、
それいらいのお泊まりツーリングは無し。
慢性放浪癖のある私には耐えられません。
もう夏は終わってしまったし、どうしてくれるんだ〜。

ちゅうことで、公用で出かけたついでに夏休みを5日ほどもらって
ひょろっとツーリングしてきました。


9/13(土)晴

今回はあくまでついでなのでバイクはレンタルです。
借りたバイクはTT250R。
初めてのオフ車でちょっとどきどき。
足が地面にぴったり着かん。(--;
でも、内緒で持っていったブーツのおかげで足つき性はアップです。

自動車道から一般道と西に向かってなだらかな山を越える。
遠くには白い煙。もしかして山火事かも。

山地を越えるとなだらかな牧場地帯。
う〜ん、北海道みたいだ。(^^;

暗くなってきたので街で食料を買って夕食用にする。
今回は荷物が多かったので、コンロ、コッヘルなどの装備はなし。
調理しないで食べられるスナック類、果物が主食になるけれど
短期だからまあいいか。

暗くなってきたので、道端の屋根のあった休憩所で夜を明かすことに。
なんとテントも持ってきていないという、
まったく舐めきったツーリングです。
でも、さすがにシュラフとシュラフカバーは必携です。

本日の走行距離 404.7km
SYDNEY - LITHGOW - WELLINGTON - どこか
9/14(日)晴のち曇り
もうほとんど圧倒的に道はまっすぐ。
110km/h制限だけれど、楽なペースで進む。
80km/hだったり110km/hだったり。。。

さすがに飽きてきたので地図でダートの表示がある道に。
最初の内は快適に100km/hほどで飛ばすけれど、
なんだかテールが流れるような気がする。

少しペースを落として60km/h程で進んでいくが、
ちょっとした切り通しで転倒。
よくよくみれば、いつのまにか路面は10cmほどのブルダストの吹き溜まり。
荷物が満載でバイクが起こせん。(--;
ガソリンはキャブあたりから漏れてるし。
取り敢えずバッテリーが上がらんようにメインキーをオフにして、
ガソリンコックをオフにしてと。
で、転がったままのバイクから荷物を全部降ろして、
バイクを起こして、エンジンがかかるか確かめて、
荷物積んで、おっけーと。

で、このブルダストどこまで続くんだろ。
20km/hのスピードじゃ全然進まないし。。。
幸い数キロ続いただけであとはしまった道に。
太陽が沈むまで走って、
NSW州とQLD州の境界の近くのそこらへんの木の下で野宿。

本日の走行距離 640.7km
どこか - NYNGAN - BOURKE - HUNGERFORD
9/15(月)晴
空が明るくなって起きて、ビスケットをかじり、日の出とともに出発。
朝速いせいか、動物さんたちがいっぱいです。
驚いて逃げだし、脇道に曲がって逃げようとするも、
急カーブすぎてこけるエミュさん。
道に沿って鉄条網があって逃げられないので
しばらく私と併走するカンガルーの親子さん。
ごめんね。驚かす気はないんだけど。。。

ここまでは潅木がまばらだったけれど、
WINDORAを過ぎると木もほとんど生えてません。
半砂漠の中を西に向かって進みます。
太陽とおっかけっこして、日没になったところで適当に野宿。
南十字星が綺麗です。

本日の走行距離 682.6km
HUNGERFORD - EULO - QUILPIE - WINDORA - どこか
9/16(火)晴
今日のルートはシンプソン砂漠の東の縁を走るBIRDSVILLE TRACK。
単調で暇です。
やっぱり一日中走ってそこらへんで野宿。
半径100km以内には人間は自分しかいないんだろうなあ。
夜やけに風が強かったけれど、
これが翌日の大変な行程を示唆していようとは。

本日の走行距離 719.5km
どこか - BETOOTA - BIRDSVILLE - MUNGERANNIE - どこか
9/17(水)小雨
MARREEの街で朝飯を食っていると、ちゃりだーが。
なんとダートのOODONADATTA TRACKを走ってきたという。
道も良かったですよ、とこともなげにいう。

お気楽で北上すると、次第に路面状況は悪化の一途。
前日かなりの雨が降ったらしく、乾いていればなんでもない道が
4輪の轍でこねくられて、マディランドと化している。

慎重に40km/h程で進むけれど、全然距離が稼げない。。。
時速100km/hで2時間の道のりも、時速40km/hなら5時間もかかるのです。
(当たり前。)

あるところで違う轍に移ろうとしたら、
あっというまにスリップ。
左側に倒れて滑走し、ジャケットがめくれて、
腕が地面に擦られていくのがわかります。
う〜、ジャケット内蔵のプロテクター、意味ないじゃん。

やっと止って、起き上がろうとするけれど起き上がれない。
左足の内側を上にしてバイクのキャリアに挟まれているのです。
少し姿勢を変えようとするとかなり痛い。
骨は折れてないみたいだけれど、
ブーツ履いてなかったら絶対折れてたかも。
左半身は泥沼に浸かっていて、
一刻も速く脱出したいけれどどうしようもない。
もうすでに泥人形。
ちょうど横向きに固定されてしまった感じで、上半身を少し起こせるだけ。

車は1時間に1台ぐらいしかすれ違わなかったし、
このまま情けないカッコで1時間くらい助けを待つのか〜、
と恥ずかしい思いが頭をよぎる。

まあできるだけのことはしようと、上半身を少しおこして
まずはキャリアに着いてる荷物をはずしてそこらへんの泥地に投げる。
「きたないままで、飛行機乗せてくれるかな〜」
とも思うが、それどころではないのです。
荷物は全部外せたけれど、体勢が悪いせいで上半身に力を加えられなく、
バイクはうんともすんとも動かない。
だめだ〜、と思って再び泥沼に横になると妙案が。
「右足があいてるじゃん。」
右足で力一杯バイクをけとばすと、
ようやく左足が抜けて自由になれました。
一瞬ほんとにやばいかと思った。(--;

リアのウィンカーが折れて、
配線だけでぶら下がっているのでニッパーで切断。
う〜、レンタルなのにー。
あと、タンクのキャップについてるゴムホースも
どこかにいっちゃいました。

ようやく苦境を抜け出し今度は20km/h程でゆるゆる進む。
このペースでは全然先に進まん。(--#
転んだちょっと先でトレーラー(1連のロードトレイン)が
やはりスリップしたのか数m下の路肩に落ちてました。
あれはよほどのモンがないと道路に上げられないなあ。

ようやくたどりついたWILLIAM CREEKの
ロードハウスでこの先の様子を聞く。
OODONADATTAとCOOPER PIDYに抜ける道の2つがあるのだけれど
どっちも似たような状況らしい。
この先どうなってるかわからないし、
まだ日にちに余裕があるのでCOOPER PIDYから
OODONADATTAへもどってもいい。
ということでとりあえずエスケープになるCOOPER PIDYへ進む。
もうこの時間で街までたどり着くのは絶望的。
それでも先に進んでおこうと、アクセルを開く。

これがさきのOODONADATTA TRACK以上の悪路。
幾分行ったところで今度は右に倒れ全身泥まみれ。
右親指の爪をつぶしてしまい、
後でわかったのだけれどGパン、プロテクター、ジャージを通して、
右膝までケガしてしまいました。(--;

荷物をはずして、バイクを起こして、荷物をつんでと、
それだけでかなりの体力を使う。
でも、こけたところが野宿地じゃ縁起が悪い。
で、再スタート。

ところが数100mもいかない内に再転倒。
こりゃ、体力がなくなってきてるからだな、とさっさと方針転換し、
そのへんで野宿。
時間もちょうど日没の頃で、薄暗い。

本日の走行距離 422.5km
どこか - MARREE - WILLIAM CREEK - どこか
湿った砂の上に銀マットを敷いてその上にシュラフ。
遠くで稲光がして空は今にも泣き出しそう。
ビスケットと水を口にして横になる。
疲れで結構寝ていたようだけれど、
夜中の2時頃銀マットをたたく雨粒の音で目を覚ます。

果たして、渡井に明日はあるのか!?

(続く)

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